「2025年大阪・関西万博の成功に向けて」
大阪市 松井一郎市長
2025年国際博覧会の開催地が正式に決定しました。これは、政府・経済界・地元自治体の三位一体による誘致活動はもとより、全国の多くの関係者のご支援、ご協力をいただいた結果が大きな成果につながったものと考えています。
特に開催地元である大阪市では、誘致の段階から市民や商店街をはじめ地域団体や学生等による各種イベント開催や署名活動など、本当に幅広い年齢層からご支援をいただき、BIEをはじめ関係諸外国にも、万博誘致にかける大阪の熱い思いを伝えることができました。改めてご賛同・ご協力いただきました皆様に厚くお礼申し上げます。
2025年大阪・関西万博に向けてもホスト・シティとして、再びこの大阪の力を結集して世界中の方々を温かくお迎えし、来場したすべての人があっと驚くような素晴らしい万博にしたいと考えています。万博開催の成功に向けて、皆さまのより一層のお力添えを改めてお願いする次第です。
1.大阪・関西万博を開催する意義
大阪・関西万博は「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマとして、世界の一人ひとりが、自ら望む生き方が実現でき、国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献することを掲げています。
大阪・関西は、最先端のライフサイエンス研究拠点や大学などが集積し、旺盛なチャレンジ精神、バイタリティ溢れるアクティブな地域です。これまでも心筋シートやマラリアワクチンの開発などのイノベーションを世界に送り出し、基礎研究から実用化まで、ライフサイエンス分野での世界的な地位を確立してきました。
大阪・関西万博はこの強みをさらに発展させる機会であり、世界中の英知を結集し、これまでにないイノベーションや新たなビジネスが誕生することが期待されています。
また、大阪・関西万博は、会場建設費や運営費、来場者等による消費支出などによる全国の経済波及効果は約2兆円と試算されており、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに続く日本の経済成長の起爆剤となると考えています。
この万博開催を通して、大阪・関西の魅力を全世界に発信することで、東京と両輪を担う西の拠点、副首都・大阪としての都市格を飛躍的に向上させるとともに、大阪・関西の経済活性化をより一層加速させることができると考えています。
2.大阪・関西万博の成功に向けての思い
大阪・関西万博では、最新の技術を駆使し、世界のさまざまな課題の解決を目指しています。
その中でも、私としては是非「10歳若返り」を実現する万博を目指したいと思います。
日本は、既に世界一の長寿命国と言われている一方で、世界に先駆け超高齢化社会に突入することになります。これからは単に寿命を延ばすのではなく、国民が自立していきいきと生活を送れる期間である「健康寿命」を伸ばす事が重要だと考えています。
そのため、実年齢よりも心と身体が10歳若く生きられる社会の実現を目指すため、万博開催の2025年にはどの年齢層の人も活気があり、アグレッシブで健康な人生を楽しんでいる、そういう大阪そして日本にしていくべきだと考えています。
大阪・関西万博では、大阪・関西のライフサイエンスや健康に関する最新技術やサービスを最大限活用して、来場された方が「10歳若返り」を実感できる万博にしたいと思っています。
これ以外にも、5G(第5世代移動通信システム)の到来を見据え、「空飛ぶ車」など、これまでに経験したことがない未来社会を、来場者全員が体験できるような万博を開催したいと考えています。
最後になりますが、来場者の誰もが楽しめる万博を目指し、今後も引き続き、一般社団法人2025年日本国際博覧会協会をはじめ、国・大阪府・経済界などの関係団体と誘致活動を上回るパワーを結集して、万博成功に向けた準備を進めてまいりますので、皆様の変わらないご支援、ご協力をどうぞよろしくお願いします。
大阪市長
松井 一郎(まつい いちろう)
昭和39年1月31日大阪生まれ
昭和61年3月福岡工業大学工学部卒業
平成15年4月 大阪府議会議員
平成19年4月 大阪府議会議員
平成23年4月 大阪府議会議員
平成23年11月 大阪府知事
平成27年11月 大阪府知事
平成31年4月 大阪市長