桂 由美

『今、世界に広がる日本の美』

桂 由美

 

桂由美さんは、長年ブライダルに携わってこられ、今年50余年となります。日本に、洋装の結婚式が少なかった時代から、「ウエディングドレス」取り組んでこられました。
国内・海外含めて、200回以上のコレクションを開催されています。これまでもいろいろの新しい結婚式考案され、今も精力的に仕事をこなされています。その取り組みの紹介です。

桂由美さんのお母様は、洋裁学校をされておられ、。長女である娘の由美さんに後を継いでほしいと思われていたそうです。しかし由美さんには興味を持っていることが他にもあり、洋裁の道に進もうと決めたのは、10代の後半でした。共立女子大に進み、その後本物のファッションを学ぶためにパリに留学します。「エコール・ド・ラ・シャンブル・サンディカル・ドゥ・ラ・クチュール・パリジェンヌ」に1960年に1年間留学。イヴ・サンローラン、ジャンポール・ルイ・シャルレ等が学び、ピエール・カルダン等の著名デザイナーが先生の名門校です。
 このパリの街で美しい花嫁に出会ったことが、「ウエディング」に関わりたいという強い思いだき「ブライダル」デザイナーになること決意したきっかけになりました。「ウエディングドレス」に身を包んだ幸せそうなカップルの姿に感銘を受けたのです。、ヨーロッパでは、花嫁花婿は教会までのロードを親戚と共に歩き、公道の人々から祝福を受けるという習慣があります。大勢の人から祝福を受ければ受けるほどカップルは幸せになれると信じられてるのです。
 帰国後、1964年、赤坂に日本初のブライダル専門店を開きました。日本の花嫁さんにも、人生の中で一番輝いている日に「もっと輝いてほしい」という強い願いからです。「ブライダル」という言葉を使ったのも、由美さんが始まりでした。それから一筋にその道を今まで歩んでこられたのです。

東京を拠点にしていた由美さんが、より深く関西と関わるようになったきっかけは、1995年(平成7年)1月17日に発生した阪神淡路大震災でした。挙式を控えた花嫁花婿たちが、呆然と立ち竦んでいたとき、彼女は、無料で「花嫁衣裳を貸し出し、合同の「シビルウェディング」プロデュースし、プレゼントします。
 若い二人が、前を向いて一歩踏み出す機会を与えたのです。このことは、大きく報道され、みんなが悲しみから立ち上がる勇気を持つきっかけとなりました。
 その後も、桂由美さんが会長を務める全日本ブライダル協会(東京)が中心となり、1995年の阪神大震災以来、2004年の新潟県中越地震や、2011年の東日本大震災、2016年の熊本地震と、被災したカップルに式をプレゼントして、カップルだけでなく地域のみんなに勇気を与えています。
「恋人の聖地プロジェクト」は、全国の観光地域の中からプロポーズにふさわしい場所を「恋人の聖地」として選定するものです。NPO法人地域活性化支援センターが実施しているプロジェクトで、2006(平成18)年より選定が開始されました。大阪では、「中之島大橋」、超高層ビル「あべのハルカス展望台」が有名です。「恋人の聖地選定委員会」によって選定され、各種イベントなど、様々な企画を通して情報発信を行っています。その一環で少子化対策への貢献を目的に2006年より「全国プロポーズの言葉コンテスト」も実施してます。
ここでも桂由美さんが、協力しています。

“ふるさとウエディング”にも力を入れてられています。様々な出来事が起こる世の中です。平和なときは気づかなかったことが、困難を経験すると、人と人との絆、家族との支えあいの必要性を感じるのです。さらに花嫁の幸せそうな姿を地域の皆さんに見てもらうことで、希望と感動を与えることができます。花嫁の最高に輝く笑顔は「幸せの輪」を広げる大きな力になり得るのです。
 結婚式当日の朝、家族に見守られながら自宅で花嫁衣裳に着替え、晴れ姿で娘としての最後の挨拶をご両親にする。そしてその後、小さい頃からお世話になった近所の方々へもご挨拶をし、そこに居合わせた地元の人々に祝福されながら出発をするという旅立ちのセレモニー、それが“ふるさとウエディング”です。この習慣は日本古来からありましたが、今は式場に直行という形で少しあっさりしてしまったと感じ、地域に根付いたウエディングの活動にも力を入れておられます。。
 また、由美さん考案の“ふるさとウエディング”は、花嫁が、長い時間、ウエディングドレスを着ていられることです。これは花嫁さんにとってにとってうれしいことです。花嫁さんは、もっと長くきていたいのに、時間におわれて支度、お色直しもあわただしく席を外す。花嫁さんも皆さんと一緒にもっとゆっくり、晴れの日を楽しみたいのではないでしょうか?

桂由美さんさんといえば、なんといっても、インターナショナルな活動が特筆されます。フランスのパリで開かれるファッションブランドの新作発表会(ファッション・ウィーク)『パリ・コレクション』。YUMI KATURAは、2003年より毎年、パリ・オートクチュール・コレクションに参加し日本のファッション文化や伝統技術にこだわった作品をパリから世界に発信し続けています。今年の2018年1月21日にも参加し、世界から絶賛を浴びました。日本が世界に誇る「友禅」「金箔」などの伝統技術が着物の衰退と共に失われていくことを憂い、現代ファッションに活かすことに取り組んでいます。
 2017年に発表された「若冲」シリーズ。近世日本の画家の一人で、江戸時代中期の京にて活躍した絵師、『伊藤若冲』。写実と想像を巧みに融合させた「奇想の画家」として人気があります。
 由美さんは、「私が若冲に魅せられたのは、イキイキとした生命観あふれる描写、日本がとは思えないユニークな色使い、そして動植物タイする細やかな愛情表現です。」とおっしゃいます。新しい挑戦にまた、万雷の拍手が巻き起こりました。

「桂由美ブライダル」には、4つの美学があります。
   1. SILHOUETTE シルエット
   2. DESIGHN    デザイン
   3.MATERIAL  素材
   4. DETAIL   繊細なテクニック

 これは、エレガンスという「美」を探究し守り続ける姿勢です。長年、どうすればより良いものを造れるかを追求してきた結果導き出されたものです。花嫁さんだけでなく、老若男女が美しく輝けます。桂由美さんの作品をを身に着ける方は幸せですね。

【桂 由美 略歴】
ブライダルファッションデザイナー、実業家。
共立女子大卒業後、パリへ留学。1964年、日本初のブライダルファッションデザイナーとして、活動開始。翌年、日本初のブライダルショーを開催。「パリ・コレクション」を始め世界20ヵ国以上でシューを開催。海外にも店舗展開している。

一般社団法人全日本ブライダル協会会長、全米ブライダルコンサルタント協会名誉会員、アジアブライダル協会連合会会長、NPO法人地域活性化支援センター理事、アジア・クチュール協会創立メンバー。株式会社ユミカツラインターナショナル社長、株式会社桂由美ウエディングシステム社長