クロアチア

美しい自然と琥珀の

アドリア海

 NPO法人　日本クロアチア交流協会　

代表理事　山崎　エレナ

 

23歳の山崎さんが来日したのは、クロアチア紛争（1991年6月のクロアチアの旧ユーゴスラビアからの独立に伴って起こった内戦）が集結に近づいていた1995年。ザブレグ市街で空襲に遭いシェルターまで走っていた途中に、日本の茶道体験教室のポスター見たことがきっかけだった。それから22年、今では、日本人の夫と2人の息子に恵まれ、故国クロアチアと日本の懸け橋になるためにアグレッシブに活動している。

 ---どうして日本だったのですか？

 　10歳の頃、三船敏郎さんとリチャード・チェンバレンさんが出ていた「将軍　SHOGUN」という映画を観て日本に興味を持ちました。茶道のポスターを見たとき、映画のことを思い出して、何かのチャンスのように思えたのです。

 

--それでも、女性一人で遠いアジアの異国に来るというのは、並大抵のことではなかったのではないですか？

 　言葉もわからない。英語もそんなにできたわけではない。資金もない。（2013年一人当たりのGDPは約150万円）。物価の高い日本で生活できるのか、とても悩みましたが必死でした。航空券を買うお金を貯め、大阪の茶道の先生を頼って日本に来ました。

ところが、来日して2週間後に、阪神淡路大震災が起こりました。クロアチアでは紛争、日本では地震、何度も母国に帰ろうと思いました。でも、ここで自分にまけてはだめだと、頑張りました。

 

---旦那さまと合われたのはそのころですか？

 　そうです。茶道教室のところには、華道教室もあったのですが、そこに彼が通っていて、97年に結婚しました。彼は、英語があまりわからない。私は、日本語がわからない。絵を描いたり辞書を引いたりしてコミュニュケーションをとりました。いまでは、日本語(関西弁)は、ほぼパーフェクト。クロアチア語、英語、スペイン語は少々、3.5カ国語話せます。

 ---名誉領事館が、大阪北区に2011年にオープンしましたが、その語学力やバイタリティーが評価されたのですね。

 

大好きな故国のために、何か役に立つことをしたいとずっと思っていましたが、なかなかチャンスが無かったのです。今は、名誉領事館の秘書をさせていただいているのですが、このことが私の人生を大きく変えました。今では、故国のためにいろいろな活動ができています。私を支えてくれている名誉領事と領事館のスタッフにいつも感謝しています。日本とクロアチアの懸け橋になって、文化やビジネスの違いなどを伝えていけたらと考えています。

 ---クロアチアは、一度は訪れるべきであるといわれますが、案内したいところはありますか？

  とにかくどこにいっても気にいってもらえると思います。とても美しいところです。日本から毎年17万の観光客が訪れていますが、もっとたくさんの人に魅力を知ってもらいたいです。

「アドリア海の真珠」と言われる人気の世界遺産「ドブロヴニク」を始め、7つの世界遺産があります。「ドブロヴニク」旧市街の夜の美しさは圧巻です。比類なき美しい湖沼と滝がおりなす、絶景の「プリトビツェ湖群」など、お薦めスポットがたくさんあります。

また、宮崎駿監督の「魔女の宅急便」や「紅の豚」の風景のモデルにもなっていますので、ジブリの世界を味わうこともできますよ。

また、クロアチアは、治安面でも安心できます。ぜひ、訪れてほしいです。

海に面していますので、海の幸も豊富です。皆さんが食べている「マグロ」は、クロアチアから日本に（漁獲高の●●％）輸入されているのです。3メートルを超える「クロマグロ」は「本マグロ」とよばれます。クロアチア料理では、生では食べません。煮込み料理にすることが多いですね。

 あと、是非味わっていただきたいのが、ワインです。クロアチアの土壌が良いので、すごくおいしいワインができます。

　「2016ヨーロッパ観光地」で一位になったサダル市は、年間平均2000ｔもの「クロマグロ」を日本に輸出しています。郊外には葡萄園が広がり自然が豊かです。サダル郊外に、ワイナリー『ロイヤルワインヤード』があり、最高品質ワインが日本に輸出されています。阪急百貨店大阪本店での「クロアチアワイン・フェア」でも、とても好評でした。

 

世界三大珍味の『トリュフ』もあります。９月から１０月末にかけて、美食の地イストラ半島の「天空の街」と呼ばれるモトブン。その近郊のリヴァデで毎週日曜日に開催されるトリュフ祭りがあり、一番大きいトリュフがオークションされ、ワイン・オリーブオイル・チーズ・蜂蜜・ハーブ・ブランディーなど、この地域の伝統的な食べ物が並びます。モトブン森で採れる、珍しい『白トリュフ』狩りも出来ますよ。